川のある街
江國香織
朝日新聞出版
作品紹介、あらすじ
両親の離婚によって母親の実家近くに暮らしはじめた望子。そのマンションの部屋からは郊外を流れる大きな川が見える。父親との面会、新しくできた友達。望子の目に映る景色と彼女の成長を活写した「川のある街」。河口近くの市街地を根城とするカラスたち、結婚相手の家族に会うため北陸の地方都市にやってきた麻美、出産を控える三人の妊婦…。閑散とした街に住まうひとびとの地縁と鳥たちの生態を同じ地平で描く「川のある街 2」。四十年以上も前に運河の張りめぐらされたヨーロッパの街に移住した芙美子。認知症が進行するなか鮮やかに思い出されるのは、今は亡き愛する希子との生活だ。水の都を舞台に、薄れ、霞み、消えゆく記憶のありようをとらえた「川のある街 3」。“場所”と“時間”と“生”を描いた三編を収録。
感想やレビュー
4/22読み終わり。 3部構成の短編集。最初の望子の話はすごくすごく好きだった。小学生目線の母とその妹、大叔母と離婚してたまに会う父親、親友とのやり取り全ての細かい描写が、なんとも素敵で。父親が手を繋ぐ前の合図とか、親友との遊び(ごぼう)とか。大好きな江國さんらしい話。2番目はカラス目線の、最後は痴呆が入ってきた女性とその姪の話。