レパントの海戦
塩野 七生
新潮社
作品紹介、あらすじ
西暦1571年、スペイン王フェリペ二世率いる西欧連合艦隊は、無敵トルコをついに破った。コンスタンティノープルの攻略から118年にして、トルコの地中海世界制覇の野望は潰えたのだ。しかし同時に、この戦いを契機に、海洋国家ヴェネツィアにも、歴史の主要舞台だった地中海にも、落日の陽が差し始めようとしていたー。文明の交代期に生きた男たちを壮大に描く三部作、ここに完結。
感想やレビュー
塩野七生さんは十六歳の夏にホメーロスのイリアスを読んで感動し、地中海の戦いを書きたいと思ったらしい。 それでベネツィア通史と、レパントの海戦で、コンスタンチノープルの陥落、ロードス島攻防記を著した。 古い資料から生き生きとした物語を紡ぐ著者の筆力に、今更ながら驚く。 ワクワク、ドキドキ、ハラハラ、そしてジリジリ、イライラと、読み進むうちに感情を揺さぶられる。戦いの様子が目に浮かぶ。 他の著作も読んで、地中海を旅して直に見てみたい。