十の輪をくぐる
辻堂 ゆめ
小学館
作品紹介、あらすじ
認知症を患うもうすぐ八十歳になる母・万津子が、テレビのオリンピックCMを見て「私は…東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。泰介は母の過去を何も知らないことに気づく。六十一年前、紡績工場で女工として働いていた万津子は、夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいた。泰介は万津子の部屋で見つけたとある新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。徐々に見えてくる真実は、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていた。一九六四年と二〇二〇年、二つの東京五輪の時代を生きる親子を三代にわたって描いた感動作。
感想やレビュー
◎