そうか、もう君はいないのか
城山 三郎
新潮社
作品紹介、あらすじ
彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われるー。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ…。没後に発見された感動、感涙の手記。
感想やレビュー
比翼連理という言葉がピッタリの夫婦だったのだと思った。こんな風に人生を終えた2人を思うと、休館の図書館での出会いは、やはりただの偶然では無く運命だった事を感じさせる。妻を亡くした後の時間の辛さにこちらも涙が出て仕方がない。でもそう思える人に巡り会えた2人は本当に幸せだったと思う。