小銭をかぞえる
西村賢太
文藝春秋
作品紹介、あらすじ
女にもてない「私」がようやくめぐりあい、相思相愛になった女。しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は緊張をはらんだものになっていく。金をめぐる女との掛け合いが絶妙な表題作に、女が溺愛するぬいぐるみが悲惨な結末をむかえる「焼却炉行き赤ん坊」を併録。新しい私小説の誕生。
感想やレビュー
「本屋なんか好きじゃなかった」を読んでいたら、作者の日野剛広さんが紹介されていた本があった。「小銭をかぞえる」とういう、不思議な題名に見覚えが。「本屋の現在地」の中で、自由と本の店主の方が薦められていた本だ。 読んでみたくなり、丸善で購入。 しょうもない男が出てくる話だ。そのしょもない男に、20代の自分と重なるところがあることに、苦笑した。付き合った人たちは、こんな私の言動に呆れただろうな。と、思う。 あんなしょうもないことはできてた自分が、ちょっと羨ましい。 「本と自由」の店主さんは、今売りたい一冊としてこの本をあげている。「今から10年前か初めて読んだ西村賢太の小説です。こうやって生きてきた人がいる。救われたような気がしました。」