バイオリニストの刺繍
砂原糖子/金ひかる
新書館
作品紹介、あらすじ
国際的ヴァイオリニストの館原新良は、慰問で訪れた軽井沢で出来心から逃亡し、とある洋館に入り込む。そこには聴覚に障害のある美しい青年・吹野がひとりで暮らしていた。音のない世界とはどんなものか。館原には想像もつかず、そのまま身分を偽り住み着いてしまう。刺繍をする吹野のそばで穏やかな日々を送るうち、音だけでなく現実社会まで切り捨てているような吹野の頑なさをもどかしく感じ始める館原だが…?
感想やレビュー
#バイオリニストの刺繍 #砂原糖子 #金ひかる 2021年6月発行 《天才ヴァイオリニスト×聴覚障害の青年》 クラシック音楽、ろう者とも接点が少ない私ですが、両思いになるまでのギスギスした感じが面白かった! 1巻は攻め目線のお話で、両者の持ち味が発揮してました💕 年下攻めの天才ヴァイオリニスト館原は、鼻持ちならない所があって青臭いし、駄々をこねるし、ウザイ奴。 仲良くなりたい相手の塩対応や無視は初めてに違いないので、心穏でいられない。 攻めザマァを堪能しました。 先生は、微ツンの受け、とおっしゃっていましたが、なかなか頑固で気難しい受けです🤣 攻めが覚えたての手話を披露すると、 手話は好きじゃない。 余計なことはしなくていい。 ってケンモホロロ。 ろう者の吹野は、とても自立した青年。社会の偏見を知っているからこそ、同情されたくない。だから手話ではなく健常者と同じスマホでやり取りするのを好むのかと推測。 簡単そうに見えて、ろう者にとって言語を文章にすることは高度な技術だと知りました。 吹野という人間は予測不能なところがあって面白い。 恋に臆病で自分の気持ちを心にしまっておく。でも、気持ちいいことに弱いのも可愛かったです。ふたりの世界は分断されてなくて、繋がっているのがわかって嬉しかった。 続編の2巻は、受けの吹野目線なので楽しみ〜。 余談ですが、 最近のニュースで、ろう者の五輪「デフリンピック」が2025年に日本で開かれるとのこと。それも100周年の記念大会。日本でデフリンピックを知る人の割合は16.3%にすぎず、パラリンピック97.9%に大きく差をつけられている。お恥ずかしながら私も初めて知りました。 #bl小説好き #bl漫画好き#腐女子 #bl小説 #book #本好き#ファンタジー小説 #読書好き #本屋好き# #読書記録 #読書感想文