鳩の撃退法(上)
佐藤正午
小学館
作品紹介、あらすじ
かつての売れっ子作家・津田伸一は、いまは地方都市で暮らしている。街で古書店を営んでいた老人の訃報が届き形見の鞄を受け取ったところ、中には数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千万円を超える現金が詰め込まれていた。「あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ」転がりこんだ大金に歓喜したのも束の間、思いもよらぬ事実が判明する。偽札の動向には、一年前に家族三人が失踪した事件など、街で起きる騒ぎに必ず関わっている裏社会の“あのひと”も目を光らせていた。
感想やレビュー
最初の文章から面白かった。 さらっとある話を語ったあと、後からその背景だったり、詳細だったりが徐々に解ってくる?ような展開。 とっても独特な文章だし、会話もセンスがあって、読みごたえ十分。最後の畳み掛けるような展開も素晴らしい。 ただ、話の時系列が過去にいったり現在に戻ったりと目まぐるしく、登場人物がやたらに多いので、読みにくいと感じる方もいるのかもしれない。丁寧に読めばクリアできるし、言葉一つひとつを大切に読みたい物語。
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