コミュニティ・オブ・クリエイティビティ
奥村高明
日本文教出版(大阪)
感想やレビュー
図工に限らず全教科に通ずる話。 奥村先生の話は分かりやすい! ひらめきは無数にある まわりが共感してひらめきとして輝く 学校では安心して挑戦できる場づくりが大切 自分のアイディアを提案したり、情報を取り出したりする姿は十分評価に値する。 ひらめきを評価しようとするとここのひらめきだけをとりだしえ優劣を評価しようとする。それはすぐに、何を基準にするのか、果たしてそれは妥当なのかなどの袋小路に陥ってしまう。ひらめきの内容や質を比較するのは困難だ。 人と異なる独創性だけがひらめきだとすれば、評価される人数はごくわずかになる。その他大勢はたとえ何かひらめいたとしてもすべて0点になる。教師がどこからか持ち込んだ基準をもとに、ひらめいた子供とひらめかなかった子供を区分けすることは、本質的に学校教育にそぐわない。 教師に求められるのは、ひらめきの内容や資質を問うことではない。ひらめき自体を評価するのではなく、ひらめきに到達しようとしている子供の姿を評価することだ。 おおげさに考えれば、人種という種はひらめきのある集団だから生き残ってきたのかもしれない。しかし、ひとつひとつのひらめきは誰かに価値付けられたり、認められたりしなければ、消えていく性質がある。日々のひらめきはシャボン玉のようなもので、つかまえにくく、自分自身でも忘れてしまうようなはかない存在だ。