乳房のくにで
深沢 潮
双葉社
作品紹介、あらすじ
21世紀目前、福美は困窮していた。抱えた娘の父親は行方知れず、頼る実家もなく仕事は辞めた。ただ、母乳だけはありあまるほど出る。それに目を付けられ、必要とする家庭に母乳を届ける活動をしているという団体に福美は雇われることに。すると、かつて同級生だった政治家一家から、乳母の指名が入る。母乳が出ずに困っていたのは、かつて福美をいじめていた奈江だった。求められる母親らしさ、親子の関係や家族のかたちに囚われた二人の女性の視点を通して「母性」を描くサスペンスフル長編。
感想やレビュー
私も授乳中の子がいる母として読み、心がザワザワした作品でした。 私のXのおすすめに出てきてしまう、「母乳育児」「間違った子育て支援」「嫁姑問題」が詰まった作品だったので…。 自分の子供が母乳を別の人からもらう、他の人になついてしまう、そしてあの姑や旦那…奈江の気持ちを考えると心が苦しくなりました。 一方で、何もなかった自分が母乳を通じて(私の場合は子供を産んだことで)何者かになれた気がする福美の気持ちもすごく理解できて…。 まさか最後選挙で終わるとは思わなかったけれど、私の人生の中でいいタイミングで読むことのできた本でした。
こんな昔の考えの姑いたら最悪だなー。 無痛分娩や完ミ、いろんな選択肢があっていい。古い固定概念はとっぱらうべきだ! 岸田よ、もっと子供を安心して産める世の中にしろー