最後の祈り
薬丸 岳
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
東京に住む保阪宗佑は、娘を暴漢に殺された。妊娠中だった娘を含む四人を惨殺し、死刑判決に「サンキュー」と高笑いした犯人。牧師である宗佑は、受刑者の精神的救済をする教誨師として犯人と対面できないかと模索する。今までは人を救うために祈ってきたのに、犯人を地獄へ突き落としたい。煩悶する宗佑と、罪の意識のかけらもない犯人。死刑執行の日が迫るなか、二人の対話が始まる。
感想やレビュー
◎
償うとはどういうことか 許すとはどういうことか 死刑は必要なのか 刑務官に人を殺させることが正しいのか 死刑廃止の気持ちは揺るがないか 死刑執行人の苦しさ 人は死ぬ時にどのような気持ちを持つのか p294 「おまえら! 何の権利があっておれを殺すんだ! 人殺しだっておれのことを責めるけど、おまえらだって人殺しじゃねえかッ!」
教誨師として、娘を殺した犯人に復讐する話。重たい。話としては最後は許したけど実際にあったら、許せるだろうか。
涙が止まらなかった 赦せるのか、赦していいのか 主人公の葛藤、ラストに胸を打たれた