舞姫
川端 康成
新潮社
作品紹介、あらすじ
空前のバレエブームに沸く戦後。バレエ教室を主宰する波子の夢は、娘の品子をプリマドンナにすることだった。だが、夫は家に生活費を入れてくれず、暮らしは苦しくなっていく。追い詰められる波子の心の支えは、かつて彼女に思いを寄せた男、竹原だったー。終戦後の急速な体制の変化で社会や価値観が激変する時代に、寄る辺ない日本人の精神の揺らぎを、ある家族に仮託して凝縮させた傑作。
感想やレビュー
女の描写が細密で息づかい、鼓動まで聞こえてきそう 矢木という男の恐ろしさよ。悪意なく淡々と話し、高みから見物しているような冷徹さが怖い 読みやすい流れるような文章