関東大震災 文豪たちの証言
石井正己
中央公論新社
作品紹介、あらすじ
関東大震災では、雑誌メディアを中心に、多くの作家が手記・証言を残した。大正ジャーナリズムの最前線にいた文豪たちの記録は、私たちに何を語りかけるのか。残された文章に映し出された巨大災害のさまざまな局面から、今日への教訓を読み解く。
感想やレビュー
2023年、関東大震災から100年の節目の年に出版された本。本所の被服廠跡での生々しい被災体験から、40年後に起きた新潟地震の時に、回想した文章などが載せられている。同じ災害を経験したけれど、実際に居た場所に寄って個々人でその体験は全く違う。だからこそ、記録に残る数字や写真だけでは知りえない震災時の体験が感じ取れる。普段から文章を書く仕事をしているからか、行動や感情の動きなどが書かれているので、追体験している気分にさせてくれる物もある。 又、作家だけではなくホテル支配人や政治家などは、その職業に沿った震災に対する備えなども書いていて、教訓になる。