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砂の女

砂の女

安部 公房

新潮社

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作品紹介、あらすじ

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。20数ヶ国語に翻訳された名作。

感想やレビュー

迷い込んだ部落にある蟻地獄のような砂の盆地で、砂かきをさせられる男の話。最初は脱出を試みるも、一度失敗してからは、外世界への関心も薄れ、順応していく。罰がないと、逃走の楽しみがない。砂の中で、足るを知ったことで、脱出への欲望もなくなり、同居人の女と暮らしていくところで、物語は終了する 普段人間楽しみや充足感なく過ごしていると、どんな悪環境でも順応してしまう。でも悪環境に意義を見出せるのならば、それは一つの幸せだと思う。

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