藪の中・将軍
芥川 龍之介
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
ある一人の侍が「藪の中」で殺された。犯人と目される盗人、被害者の妻、そして巫女の口を借りて語る被害者。当事者三人の言い分は、それぞれに心理的必然性とリアリティを持ちつつも、決定的に食い違っていく。今昔物語に題を採った最も芥川らしい短篇と言われる「藪の中」を始め、「秋山図」「山鴫」「アグニの神」「俊寛」「将軍」など、様々なテーマやスタイルに挑戦した大正10年頃の円熟期の作品17篇を収録。
感想やレビュー
大正10年に書かれた小説 (1921年)98年前 藪の中に男の死体 事件に関わる登場人物が 証言をする それぞれの人が どう見えてどんな風に語るかを 遠巻きに見ていて (どう思っているかではない) 違いを皮肉ぽく見ている話 違いが大きい程 ハッとするし 衝撃受けて心に残る 最後の方に作者の 0〜35歳までの年譜 が載っている こちらも興味深かった 辰年辰月辰日辰刻の生まれ なので龍之介 7ヶ月 実母フク発狂 10歳 フク死亡 12歳 実母の妹と父の間に異母弟 母の実家(芥川)の養子になる 29歳(大正10年この年「藪の中」執筆) 中国等に視察員として特派 この後多数の病気 35歳 義兄が保険金詐欺容疑で 鉄道自殺 自身 自宅で薬を仰いで自殺 こういう人生だったら 傍観的に皮肉ぽく 物事見る様になるのもわかるし 作風の意味も腑に落ちる 書いている人(読んでいる自分)は どの人にも共感していない様に見える 傍観者 教科書以外幾つかしか 読んだことなかったけれど 出てくる人たちの 見えているものの違い 面白いし 違いが大きいほど 衝撃受けて心に残る この作者は「今昔物語」 典拠とするものも多く 読書家で 本は衝撃が凄い 心に残る話ばかりだった 心惹かれる人多いの わかる気がする