図書館の魔女 第三巻
高田 大介
講談社
作品紹介、あらすじ
深刻な麦の不作に苦しむアルデシュは、背後に接する大国ニザマに嗾けられ、今まさに一ノ谷に戦端を開こうとしていた。高い塔のマツリカは、アルデシュの穀倉を回復する奇策を見出し、戦争を回避せんとする。しかし、敵は彼女の“言葉”を封じるため、利き腕の左手を狙う。キリヒトはマツリカの“言葉”を守れるのか?
感想やレビュー
高田大介「図書館の魔女 第三巻」再読了。もう見どころてんこ盛り。マツリカによる偽書をめぐる文献学講義に、一巻最後の水路の伏線の回収が始まり、農学者と共に胸が熱くなったところで、迫り来る敵のマツリカを封じる魔の手、からのマツリカと二ザマ帝とのギリギリの読み合い。あああたまらない。たまらないのにあと1冊で終わってしまう。わかってる。再読だからもう全部わかってる。でもなんだろう、あと1冊で読み終わってしまうというこの寂しさは。読み終えたくないのに読み進められずにはいられないこの物語力は。さあ、最終巻に入ろう。