死にがいを求めて生きているの
朝井 リョウ
中央公論新社
作品紹介、あらすじ
植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。二人の間に横たわる“歪な真実”とは?毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、目隠しをされた“平成”という時代の闇が露わになるー“平成”を生きる若者たちが背負う自滅と祈りの物語。
感想やレビュー
朝井リョウさんとは同世代なので、若者の描写がすごくリアルに感じられ、故に読んでいてとても痛い気持ちになります…。自分達が若い頃なんとなく感じていたことをここまで言語化できるのって本当にすごいです。 アヤナのところとか、ヨシキのところのか、読んでいて、自分の若い頃のイタイタしさとか思い出してああ〜って気持ちになりながら読みました…。 最初に看護師さんのエピソードもってきたところが秀逸すぎて…最初にあれを読まされたら、「あー、友達想いのいい人なんだな…」っていう気持ちになると思うんです。そこからのエピソードの雄介がだいぶ「友達想いのいい人」のイメージと違って、??となりながら、どこで変わっていくんだろう…と読み進めていくと、まさかの……で本当に唖然とするというか…
読み応え充分