火喰鳥を、喰う(1)
原 浩
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの異変。ひとつは久喜家代々の墓が何者かによって傷つけられたこと。もうひとつは、七十年以上前の死者の日記が届けられたこと。日記には太平洋戦争末期に戦死した大伯父の、生への執着が書き記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では怪異が起こり始める。日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。そして日記に突如書き足された、「ヒクイドリヲ クウ ビミ ナリ」という一文。雄司は妻の夕里子とともに超常現象に詳しい北斗総一郎を頼るが…。横溝正史ミステリ&ホラー大賞・令和初!大賞受賞作。
感想やレビュー
今まで、私は読んだことのないような新しい物語だなぁ…と思いました。戦時中の大伯父の日記が見つかったことからこのような展開になっていくのか…と驚きでした。 最後の方は現実味がどんどんなくなってどうなるんだろう…と思っていたのですが…。 雄司側から語られていたので、さも大伯父の生の執着がものすごく、自分や祖父の生存を脅かす存在のように書かれていましたが、ちやこ(大伯父)側から見れば、雄司もまた、自分の子供の生存を脅かす存在だったんだなぁ…という。 でも貞一と保はどっちかが死ななきゃ生きられないっていう状況ではなかったので、雄司とちやこが共存する未来もありえたのでは??と思ってしまうのですが…それじゃ物語の元も子もないか…と。
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