あの家に暮らす四人の女
三浦しをん
中央公論新社
作品紹介、あらすじ
ここは杉並の古びた洋館。父の行方を知らない刺繍作家の佐知と気ままな母・鶴代、佐知の友人の雪乃(毒舌)と多恵美(ダメ男に甘い)の四人が暮らす。ストーカー男の闖入に謎の老人・山田も馳せ参じ、今日も笑いと珍事に事欠かない牧田家。ゆるやかに流れる日々が、心に巣くった孤独をほぐす同居物語。織田作之助賞受賞作。
感想やレビュー
心が温かくなる本だった。母と娘、その友達(偶然人違いで友達になった)が4人で暮らす話。雨漏りを大鍋小鍋で防ぐところや、ラップの掛け合い、河童のミイラをリビングに飾るところや、クスクス笑えるところが満載で、私の好きな三浦しをんだなと思った。
この家に住む鶴代と、その娘で刺繍作家の佐知(37)と雪乃(37)と多美恵(27) 昔からの友人ではない3人が、ひょんなことから知り合い一緒に住むようになる。先代からの使用人?の山田と鶴代に追い出された後に浮遊する霊となった佐知の父親 リアルな話にファンタジーが混ざって、ごちゃ混ぜではあるんだけど、父を知らずに育った佐知の苦悩とアラフォーでもう結婚はないのかなあと思いつつ小さく芽生える恋心、現状に大満足!なわけではないけど今の幸せが続けばいいと思う気持ち うーん、共感が多かったなあ ちょいちょい挟まれるギャグに思わず笑ってしまって危険 最後の一節はとても幸せで、そうだと良いなあと思わずにいられない 「きみたちは見守られている。私に。すでにこの世にはいない多くのものに。知らないだろう。それでいい。きみたちは生きているのだから。」